「消極的支持」、その裏側に…/菅直人改造内閣の発足に考える
「菅直人改造内閣」が発足した。
自由民主党から民主党へ政権交代してから一年経ったその翌日。
菅首相は、発足内閣を「有言実行内閣」と位置付けた。
さて、その改造内閣の前提に行われた民主党代表選挙。
党員・サポーター票で大差をつけ、小沢一郎氏に勝利した。
しかしながら、勝利を収めた菅代表に対しては、「消極的支持」とした評価が目立った。
インターネット上や一部のマスコミ報道は、
小沢一郎氏を選択しなかった民主党国会議員、地方議員、党員・サポーターを厳しく批判した上で、
「半年後に、小沢にしとけば良かった、と後悔する」
という論調がある。
では、「消極的支持」とされた、菅氏に対し、党員・サポーターはおろか、国会議員票でも勝てなかった小沢氏。
小沢氏がそれ相当の政治家なのであれば、「消極的支持」の菅氏などは、眼中にないはずだ。
それなのにも関わらず、「発信力の弱い」こと問題視された菅氏に対し、「私には夢がある」という歴史的名言を用いながら、「発信力の弱い」菅氏に勝てなかった小沢氏。
個人的には、目立った政策論争も繰り広げられず、両氏の周辺の賑やかしばかりが注目された選挙戦。
小沢氏が本当にこの国を変えようとしていたのであれば、応援演説に田中真紀子氏なんぞを呼ばずに(笑)、自らの言葉で、政策提言をドンドンして欲しかった。
「政権交代を選んだ国民が愚者だから」という視点はナンセンスだ。
事は単純で、内閣支持率が悪化し、「国民の目線」を失い、政権を失った自民党と同じ様に、政権選択のステージに追い込めば良い。
そもそも、「消極的支持」という、曖昧な表現が実に日本人らしい。
現政権に求めたいのは、素早い【意志決定】と【決断】だ。
正直なところ、現政権よりも、国民のほうが上手(うわて)だ。
「素早い意志決定」と「決断」で政権を交代(昨夏の衆議院選挙での民主党圧勝)させ、その翌年には国会の「ねじれ状態」(今夏の参議院選挙での民主党敗北)を生んでいる。
この「国民の意思(意志)」=「国民の視点」を、今の(衆参の)国会議員は、真剣に捉えるべきだ。
今回の民主党代表選は、まさに「国民の視点」を甘く見ているとしか考えられない。
何故ならば、「日本を変えることが出来る政治家」として、多くの国会議員が推した小沢氏が、「消極的支持」の菅氏に敗れたのだから、この「空気が読めない」温度差は国家的問題である。
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